「サメには骨がありません」——。こんな話をすると、多くの人は驚きます。実はサメは、エイと同じ軟骨魚類の仲間です。水揚げされたサメはグニャグニャ。海の中にいる時の威厳はありません。この軟骨に豊富に含まれている栄養素、それが人間を含む動物にとって、関節の潤滑剤として欠かせない「コンドロイチン」です。
この軟骨に加えて着目される部位に、「皮」があります。サメの皮は、海の中を超高速で泳ぐために、ほかの魚にはないしなやかさと丈夫さを兼ねそろえた特徴を持っています。サメの皮から精製される「コラーゲン・ペプチド」は質が高く、サプリメントに最適と言われています。
特にサメから「皮」の活用は一部は加工品やゼラチンの原料として使われてきましたが、「皮」を取り出すことはとてつもない労力が必要で、全てが活用されているわけではありませんでした。しかし、ここ気仙沼は、サメと生きてきた港町。ここにある技術が、「皮」の活用を可能にしました。